埼玉医科大学総合医療センター 小児科 森脇浩一教授
ご家族が心配されている症状の一つに長引く咳があると思います。咳が長引く場合、どのくらい以上であれば詳しい検査をした方がよいのでしょうか。
我々がよく参考にする英文の医学情報のUpToDateというサイト(会員制)によりますと長引く咳の定義として『4週間以上』という記載があります。
もちろんそれより短い期間でも強い咳であったり発熱を伴ったりしていて、百日咳、マイコプラズマ、稀には結核など注意しなければならない病気もありますが、1ヵ月以内で治る咳で他にあまり症状がなければ、大部分はウイルス性の気道感染と考えられます。
しかし、一般外来では子どもの咳が1週間も続くと、「なかなか治らない」と訴える人が多い様に思います。特に幼児は咳き込み嘔吐もあり、ご家族は心配になるようです。
私の子どもでも小学校の低学年くらいまでは夜の咳はかなり長引いた印象が残っています。家内に「嘔吐もある程なのにほっといていいの?」と冷たい眼を向けられながら、「昼間元気だから大丈夫」などと言っていたものです。(ちなみに全員、現在喘息はありません)
もちろん、レントゲンで影があるようなもの、乳児で息を止めたりするものなどは要注意ですが、幼児で、昼間元気であれば2、3週間続く咳は通常のウイルス性の気道感染(いわゆる『かぜ』)で、心配のないものが多いと思います。
しかし、医師は相談を受けるとなんとなくもっともらしい説明をしなければならず、「咳喘息」と説明を受けた方もいるのではないでしょうか。
小児の喘息の専門の先生に話を伺うと、小児には咳喘息はかなり稀なようです。またもし咳喘息であれば気管支拡張薬が効くので、よく処方される貼付薬(ホクナリンテープ、ツロブテロールテープなど)で症状がよくなる場合はその可能性もあります。ただ、注意しなければならないのは薬を使って治ったのか、自然経過で治ったのかは、判断が困難という事です。
以上をまとめますと、1歳以上で日中元気がよく、発熱のない咳は2-3週間続いても心配がないと言う事です。ご参考になれば幸いです。
Q:そもそも『強い咳』ってどんなものですか?
A:強い咳とは感じ方に個人差があるので説明しにくいのですが、ひとしきり咳き込むようなことがあっても1~2分で治まり、それが1晩に1~2回で、日中元気であればあまり問題ないと思います。
Q:レントゲンで影があるような状況のとき、親にも分かるものですか?
A:レントゲンに影があるかどうかは、症状だけでは判りにくいと思います。ただレントゲンに影があれば全て重症というわけでもありません。どのような場合にレントゲンで検査するかは医師によって方針が違いますが、ご家族が「肺炎が心配」と説明されれば、撮影する先生が多いと思います。医療機関で撮影する普通のレントゲンの線量は0ではありませんが、それ程多いものではありません。
Q:兄弟がいる場合、咳症状を早めに緩和するのとしないのとでは感染の広がりに差が出るものでしょうか?
A:一般論としては対症療法を行っても感染力は変わらないと思います。咳の原因がマイコプラズマや百日咳など抗菌薬が効果がある病原体であれば適切な抗菌薬を投与することで感染を防げると思いますが、通常のウイルス感染の咳に対してはあまり有効な対応はないと思います。
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